なぜか推しが追ってくる。
外から見るあの世界は、美しかった
▽
推しから電話がかかってくる。
そんな経験がある人は、果たしてこの世に何人ぐらいいるのだろうか。
『いきなり電話してごめんね。どうしても瑞紀ちゃんの声が聞きたくなって』
「ふぐぅ……耳元で推しの声がぁ……」
『ふふ、そりゃ電話だからね』
恭くんからの着信があったのは、明日真緒と数馬にどうやって話をしようかとベッドに横になりながら考えていたときだった。
なんかスマホ震えてるなー……っと何の気なしに画面見たら「天羽恭」と表示されているものですからまた心臓止まるかと思いましたよ、ええ。
ああ、本当にこの小さな薄い箱みたいな機械から恭くんの声が聞こえる……。直接わたしに語りかけている。
やっばい……耳が幸せだ。
『……瑞紀ちゃん?』
「はえっ? ごめんねもう一回言って?」
恭くんの声が聞こえてくる幸せを噛み締めるのにいっぱいいっぱいで、話の内容は頭に入っていなかった。
聞き直すと、恭くんはまたくすくす笑ってから言う。
『舞台の稽古は順調だよ。瑞紀ちゃんのおかげで、今日は原さんも気持ちを入れ替えて真剣だった』
「そっか……」
推しから電話がかかってくる。
そんな経験がある人は、果たしてこの世に何人ぐらいいるのだろうか。
『いきなり電話してごめんね。どうしても瑞紀ちゃんの声が聞きたくなって』
「ふぐぅ……耳元で推しの声がぁ……」
『ふふ、そりゃ電話だからね』
恭くんからの着信があったのは、明日真緒と数馬にどうやって話をしようかとベッドに横になりながら考えていたときだった。
なんかスマホ震えてるなー……っと何の気なしに画面見たら「天羽恭」と表示されているものですからまた心臓止まるかと思いましたよ、ええ。
ああ、本当にこの小さな薄い箱みたいな機械から恭くんの声が聞こえる……。直接わたしに語りかけている。
やっばい……耳が幸せだ。
『……瑞紀ちゃん?』
「はえっ? ごめんねもう一回言って?」
恭くんの声が聞こえてくる幸せを噛み締めるのにいっぱいいっぱいで、話の内容は頭に入っていなかった。
聞き直すと、恭くんはまたくすくす笑ってから言う。
『舞台の稽古は順調だよ。瑞紀ちゃんのおかげで、今日は原さんも気持ちを入れ替えて真剣だった』
「そっか……」