なぜか推しが追ってくる。
私にとっては大きな秘密
▼【高森真緒】
天羽恭のマネージャーから私の知らない瑞紀のことを聞いてずっとモヤモヤしていた。
だけど、今日、ちゃんと直接話を聞くことができてすっかり気持ちが晴れた。
……私の全く知らない世界で、瑞紀は辛い思いをしてきたんだ。
教えてくれなかったからと子どもみたいに拗ねていたことを、改めて反省した。
ただまあ予想外だったのは……瑞紀が本気で天羽恭に恋愛感情を抱いているのだというカミングアウト。
「ねえ、カズ」
カフェを出て瑞紀と別れた後。
私は隣を歩く清水数馬に恐る恐る声を掛けた。
遠くを見つめていたカズは、ハッとしたように私に顔を向ける。
「どうした?」
「大丈夫?」
「……まあ、キツイっちゃキツよな。そりゃ」
カズは中学の頃からずっと瑞紀のことが好きだった。
隣で見ていたからよく知っている。
絶対に恋愛対象として見てもらえなくて、辛い思いをしていることも。
照れてしまい、いつまで経っても下の名前で呼べないことも。
天羽恭が瑞紀と親しくし始めて以来、表情にずっと諦めの色が浮かんでいたことも。
全部、知っていた。
天羽恭のマネージャーから私の知らない瑞紀のことを聞いてずっとモヤモヤしていた。
だけど、今日、ちゃんと直接話を聞くことができてすっかり気持ちが晴れた。
……私の全く知らない世界で、瑞紀は辛い思いをしてきたんだ。
教えてくれなかったからと子どもみたいに拗ねていたことを、改めて反省した。
ただまあ予想外だったのは……瑞紀が本気で天羽恭に恋愛感情を抱いているのだというカミングアウト。
「ねえ、カズ」
カフェを出て瑞紀と別れた後。
私は隣を歩く清水数馬に恐る恐る声を掛けた。
遠くを見つめていたカズは、ハッとしたように私に顔を向ける。
「どうした?」
「大丈夫?」
「……まあ、キツイっちゃキツよな。そりゃ」
カズは中学の頃からずっと瑞紀のことが好きだった。
隣で見ていたからよく知っている。
絶対に恋愛対象として見てもらえなくて、辛い思いをしていることも。
照れてしまい、いつまで経っても下の名前で呼べないことも。
天羽恭が瑞紀と親しくし始めて以来、表情にずっと諦めの色が浮かんでいたことも。
全部、知っていた。