なぜか推しが追ってくる。




……そして結論から言えば、恭くんは「めっちゃ歌上手い」の方でした。



何を選べばいいかわからないと言いつつ、ランキング一位の曲ならよく聞くから歌えそうだと入れた恭くん。

普段しゃべるときとも、芝居をしているときともちょっと違う声で、滑らかに、抑揚をつけて歌う。

わたしからしたら、全然余裕で本家のアーティスト越えてきているように思えた。


そしてやっぱり、感動というか興奮というか、何だかいろいろ感情ぐちゃぐちゃになったわたしは、もう天に召されていた。




「95点か。ちょっと音程外しちゃったのかな」


「人生初カラオケでその点数はだいぶすごいのでは……」


「ふふ、ありがとう。楽しいねカラオケって」




そんな恭くんによくよく聞いてみれば、どうやら歌の指導もちゃんと受けているらしい。

何でも、まだこれまで話が来たことはないが、ミュージカルの仕事が来たときに備えているのだとか。

待ってくれミュージカルだと? 見た過ぎるのだがそれ。




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