なぜか推しが追ってくる。
▽
「……どうしよう、恭くんからのファンサがとまらない」
放課後。長い一日がようやく終わった。
あの後も、恭くんは何度も何度もわたしに話しかけてきた。
転校初日でわからないことだらけだから、とりあえず隣の席の奴を頼ろうという心理はわかる。
わかるけど、話しかけるたびに「武藤さんが隣の席で良かった」とか「本当に頼りになるね」とか「武藤さんがいてくれたら明日からも学校頑張れる気がするな」とか! ファンを喜ばせる言葉をいちいち言う必要はあったのでしょうか。
おかげでこっちはドキドキギュンギュンさせられっぱなしで、いつ心不全で倒れるかひやひやしてしまった。
それに、あと一歩間違えたらスマホの録音アプリ起動してた。危なかった。
興奮冷めやらぬまま、そんなことを語りつくしたわたしに、聞いていた数馬は冷たく言った。
「ファンサービスっつうか、完全に遊ばれてんじゃね?」
「……どうしよう、恭くんからのファンサがとまらない」
放課後。長い一日がようやく終わった。
あの後も、恭くんは何度も何度もわたしに話しかけてきた。
転校初日でわからないことだらけだから、とりあえず隣の席の奴を頼ろうという心理はわかる。
わかるけど、話しかけるたびに「武藤さんが隣の席で良かった」とか「本当に頼りになるね」とか「武藤さんがいてくれたら明日からも学校頑張れる気がするな」とか! ファンを喜ばせる言葉をいちいち言う必要はあったのでしょうか。
おかげでこっちはドキドキギュンギュンさせられっぱなしで、いつ心不全で倒れるかひやひやしてしまった。
それに、あと一歩間違えたらスマホの録音アプリ起動してた。危なかった。
興奮冷めやらぬまま、そんなことを語りつくしたわたしに、聞いていた数馬は冷たく言った。
「ファンサービスっつうか、完全に遊ばれてんじゃね?」