なぜか推しが追ってくる。
▽
月曜日。
隣の恭くんの席は朝から空いていた。今日は仕事が入っているのだろう。
土曜日のことで気まずかったから、正直ホッとした。
おかげで一日中、穏やかな心でいつも通り過ごすことができた。
……と思ったのだけど、傍から見ればいつも通りではなかったようで。
放課後、失礼極まりない二人の親友が、机に伏せるわたしの顔を覗き込みながらこんなことを言ってきた。
「ねえカズ。今日瑞紀がすごい変」
「確かに、こいつがこんなに静かなのは異常だよな」
今日はいつもより口数が少なかったのは認める。
だけどそれで異常呼ばわりですか、親友たちよ。
「わたしだって、ちょっと元気がない日ぐらいあるもん」
「え~? いつもなら『ちょっと恭くん接種したらすぐ元気になる! 推しはどんな栄養剤より効果があるからね!』とか言ってるじゃん」
……言ってるけれども。
今回はその恭くんこそが元気を無くした原因だからなあ。
月曜日。
隣の恭くんの席は朝から空いていた。今日は仕事が入っているのだろう。
土曜日のことで気まずかったから、正直ホッとした。
おかげで一日中、穏やかな心でいつも通り過ごすことができた。
……と思ったのだけど、傍から見ればいつも通りではなかったようで。
放課後、失礼極まりない二人の親友が、机に伏せるわたしの顔を覗き込みながらこんなことを言ってきた。
「ねえカズ。今日瑞紀がすごい変」
「確かに、こいつがこんなに静かなのは異常だよな」
今日はいつもより口数が少なかったのは認める。
だけどそれで異常呼ばわりですか、親友たちよ。
「わたしだって、ちょっと元気がない日ぐらいあるもん」
「え~? いつもなら『ちょっと恭くん接種したらすぐ元気になる! 推しはどんな栄養剤より効果があるからね!』とか言ってるじゃん」
……言ってるけれども。
今回はその恭くんこそが元気を無くした原因だからなあ。