なぜか推しが追ってくる。
3.
この告白は、再放送
▽
とある日の放課後。人通りの少ない廊下にて。
「あ、あの! この前見かけて気になってました! ぼ、僕と付き合ってもらえませんか?」
一人の男子生徒が、顔を赤くしながら一生懸命告白している。
ちなみに、その相手はわたくし武藤瑞紀である。
「えっと」
誰くんだね、あなたは。
言われてみたら見たことあるような気がしないでもないけど、言葉を交わした覚えはないし、そもそも名前もわからない。先に名乗ってほしかったな。
とはいえ、人に好意を寄せられるのはそう悪い気はしない。……顔だけが理由でなければ。
だから一応期待半分で聞いてみるのだ。
「わたしのどういうところを好きになったの?」
「そ、それはもちろん、武藤さんが綺麗で可愛くて、気が付いたら目で追ってて……」
そして期待はあっさり裏切られるのだ。
残念だけど、わたしは顔立ちを褒められるのはあまり嬉しくない。
そりゃあ日々努力して容姿を磨いているのなら褒められるのも嬉しいだろうけど、今のわたしの場合本当にただ遺伝子勝ちしているだけだから。
とある日の放課後。人通りの少ない廊下にて。
「あ、あの! この前見かけて気になってました! ぼ、僕と付き合ってもらえませんか?」
一人の男子生徒が、顔を赤くしながら一生懸命告白している。
ちなみに、その相手はわたくし武藤瑞紀である。
「えっと」
誰くんだね、あなたは。
言われてみたら見たことあるような気がしないでもないけど、言葉を交わした覚えはないし、そもそも名前もわからない。先に名乗ってほしかったな。
とはいえ、人に好意を寄せられるのはそう悪い気はしない。……顔だけが理由でなければ。
だから一応期待半分で聞いてみるのだ。
「わたしのどういうところを好きになったの?」
「そ、それはもちろん、武藤さんが綺麗で可愛くて、気が付いたら目で追ってて……」
そして期待はあっさり裏切られるのだ。
残念だけど、わたしは顔立ちを褒められるのはあまり嬉しくない。
そりゃあ日々努力して容姿を磨いているのなら褒められるのも嬉しいだろうけど、今のわたしの場合本当にただ遺伝子勝ちしているだけだから。