なぜか推しが追ってくる。
ぐっ……親友たちの言葉を思い出して腹立ってきたぞ。
しかしここは恭くんの前……。拳を握って必死に抑える。
そして恭くんはそれを聞いて、ふっと表情を和らげた。
「なんだそっか。じゃあ本当のライバルはやっぱり一人なんだ」
「うん?」
「ああごめん、こっちの話」
そう言って誤魔化すように浮かべる笑顔。
なんかわからんけどとりあえず、可愛い、やばい、好き!!
ああ、写真撮りたい……。やめろわたしの手、無意識にカメラを起動させるな!
「と、ところで恭くんは、なんでわたしを探してたの? 何かあった?」
わたしは、自分の意識を国宝級顔面から逸らす目的も込みで話を変えた。
「ああ、そうだ。瑞紀ちゃん、今日部活ある日なんでしょ?」
「うん、今から。あっ、てかもうこんな時間! 早く行かないと!」
「それさ、見学するのって大丈夫?」
……見学?
わたしはびっくりして目を何度も瞬かせる。
ええ、だって……。