【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜
そしてその枷となるシャルロッテが憎いと思った。
シャルロッテは棒のような手に力を入れて体を起こしていた。
しかしこの姿に見慣れていた為か、他の人がシャルロッテを見たらどう思うかなんて考えたこともなかった。


「なによ……ちゃんと生きてるじゃない」


スーザンがそう言うのと同時に、役立たずな侍女が傷ついた腕や足を見て小さな悲鳴を上げている。


「うるさいわねぇ」

「おいお前、いつまでそこに寝転がっているんだ。さっさとコイツの支度しろッ！」

「もう一回、その不細工な顔をわたくしに傷つけさせる気？」

「ひっ……！」


スーザンが侍女に向かって手を振り上げると、侍女は怯えながらもシャルロッテの支度をするために立ち上がった。


「なるべく体型を隠すようなドレスにしろ」


こんな貧相な体ではディストン侯爵家の役には立たない。
シャルロッテの全てが苛立ちの種だった。
何よりディストン侯爵家が成り上がる為には邪魔になる。
それが腹立たしくて堪らない。


「こんな子……生まれてこなければよかったのに」


その言葉に同意していた。
どんな理由にせよ、自分の完璧な人生設計の中で『邪魔』でしかなかった。
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