【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜

結局シャルロッテは一人でフラフラと部屋から出て歩いて行った。
部屋で泣き噦る侍女を叱咤してから、馬車の中でシャルロッテの準備を続けるように釘を刺す。
怯えながらも侍女は走って行った。
ハリエットとイーヴィーの馬車とシャルロッテと侍女が乗った古い馬車を窓から見送った。


「はぁ……何事もなければいいが」

「恥を晒して終わりよ。それよりもイーヴィーとハリエットが心配だわ」

「あの子達なら上手くやってくれるだろう」

「どうしてこんな事になったのかしら。あの時から全てが狂ったのよ」


この時はまだ、最悪な事態が起こるなんて予想もしなかった。

イーヴィーとハリエットが帰ってくるのを待っていると、馬車が止まる音が聞こえて慌てて外へと向かった。

すると目の前には王家の馬車が止まっている。
そして喜びに笑みを浮かべ、二人で目を合わせた。
ハリエットかイーヴィーのどちらかが、デイヴィッドの心を射止めたのだと、そう信じて疑わなかった。


「まさかイーヴィーかハリエットが……！」

「さすがわたくし達の娘だわ！」