【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜
だが、馬車から降りてきたのはハリエットでもイーヴィーでもなかった。
見覚えのある服を着た男と騎士が現れたのだ。
それは三人が生まれる時にも出生を確認していた城からの使者だった。

状況が分からずに困惑していた。
何をしに来たのか、何故ここにいるのか……状況を理解することが出来なかった。


「一体、なにを……」

「デイヴィッド殿下から仰せつかりました。屋敷の中を調べさせて頂きます」

「は…………！？」

「こちらの紙に見覚えはありませんか？」


城の使者は数枚の紙を取り出した。
そこに書かれている文字を見て驚愕した。


「…………こ、これは！？」

「……！」


二人はあまりの衝撃に言葉を失っていた。
そこにはシャルロッテからのSOSが書かれていた。
切り取った本に書いてある。
『ここから出して』『助けて』『閉じ込められているの』
シャルロッテが文字を書ける事すら知らなかった二人にとっては驚きであった。
それを城の使者が持っているということは……。

(……な、なぜ！？)

厳しい表情の彼らと屋敷への調査という言葉。
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