【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜
そして母は信じられない言葉を口にした。


「シャルロッテが城で保護されているわ」

「……え！？」

「どうしてが城にッ！？デイヴィッド殿下の側にいるということ……！？信じられないわ！絶対に嫌ッ、今すぐに連れ戻しましょう！」

「お母様、どういうことか説明して下さいッ」

「静かにしてッ！あの人に見つかったらどうするのッ……！」


母は焦っているように言った後に顔を歪めた。


「あの悪魔が……っ、わたくし達を陥れたのよ！」

「…………悪魔、それって」

「まさか……」

「魔力検査さえ乗り切れば、何もかも上手く行く予定だったのに……！他の貴族達は今頃、わたくし達を嘲笑っているのでしょうね」


ブツブツと何かを呟きながら頬に長い爪を立てている母の様子にゴクリと唾を飲み込んだ。


「ねぇ、お母様ってば……ちゃんと説明してよ！」

「……ど、どういうことなの？」


母は今、ディストン侯爵家の置かれている状況を簡単に説明してくれた。
魔力検査の日にシャルロッテをあの部屋に閉じ込めていることがバレてしまったこと。
それがキッカケで窮地に立たされていること。
しかし、ハリエットはそのことに大きな違和感を感じていた。
< 154 / 257 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop