【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜

父と母の言い争いは激しさを増していく。
しかしシャルロッテをいくら返せと言ったところで、首を縦に振らないらしい。

シャルロッテさえ戻って来れば挽回のチャンスがあると考える父と、シャルロッテを以前と同じように扱う以外は考えられない母。
二人の激しい口論は毎日続いた。

そしてイーヴィーとハリエットの周りにも変化が訪れた。
父と母が言っていた意味を改めて理解することとなる。


「ハリエットお姉様……！お友達に手紙を出したのに、一通も返ってこないの」

「…………」

「お茶会だってそう！全然誘われなくなって……」

「…………わたくしもよ」

「なんでこんなことに……！アイツが帰ってきたら絶対に許さないんだから！お父様とお母様があんなに喧嘩するなんて！全部全部、あの子のせいよッ」

「イーヴィー……」

「ハリエットお姉様は悔しくないの！？わたくしは……っ！あの子が全部、わたくし達から奪っているんだわ！」

「…………」


イーヴィーの言葉にハリエットは違和感を感じていた。

(これから、どうなってしまうの……？)

あの日から何もかもが一変した。
ハリエットの心に暗雲が立ち込める。
そしてシャルロッテが城に滞在することで、ディストン侯爵家が更に追い詰められるとも知らずにハリエットは騒つく胸を押さえたのだった。