【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜
「シャル……」
「それにブルックスお兄様と離れるなんて考えられないの」
「ディストン侯爵、夫人。俺もシャルロッテと離れるのは辛い」
「……ブルックスお兄様」
シャルロッテもブルックスの背に手を回す。
「シャルロッテの気持ちも考えずに急にすまなかったな」
「いいえ…………でも、お父様とお母様がわたしと一緒に居たいと言ってくださって嬉しいですわ」
「……シャルロッテ、ありがとう」
嬉しそうなディストン侯爵夫人に握られた手を見て、シャルロッテは大きく目を見開いた。
初めての感覚に顔を上げると、優しい笑顔が視界に映った。
シャルロッテの表情が強張り、勢いに任せて弾き飛ばそうと思ったが、なんとか理性で踏み止まる。
今、この手を振り払ってしまえば全てが台無しになってしまう。
手のひらがゾワリと穢れていくような耐え難い感覚にシャルロッテは必死に笑みを浮かべながら喜んでいるように振る舞いながらも、さりげなく手を離した。
今すぐ触れられた場所を洗い流したかった。再び触れられたら敵わない。
シャルロッテは震える手で紅茶を飲み込んで話題を変える為に口を開いた。
「ハリエットお姉様と妹のイーヴィーはどこに?私、二人に会うのを楽しみにしていましたのに……」
「それにブルックスお兄様と離れるなんて考えられないの」
「ディストン侯爵、夫人。俺もシャルロッテと離れるのは辛い」
「……ブルックスお兄様」
シャルロッテもブルックスの背に手を回す。
「シャルロッテの気持ちも考えずに急にすまなかったな」
「いいえ…………でも、お父様とお母様がわたしと一緒に居たいと言ってくださって嬉しいですわ」
「……シャルロッテ、ありがとう」
嬉しそうなディストン侯爵夫人に握られた手を見て、シャルロッテは大きく目を見開いた。
初めての感覚に顔を上げると、優しい笑顔が視界に映った。
シャルロッテの表情が強張り、勢いに任せて弾き飛ばそうと思ったが、なんとか理性で踏み止まる。
今、この手を振り払ってしまえば全てが台無しになってしまう。
手のひらがゾワリと穢れていくような耐え難い感覚にシャルロッテは必死に笑みを浮かべながら喜んでいるように振る舞いながらも、さりげなく手を離した。
今すぐ触れられた場所を洗い流したかった。再び触れられたら敵わない。
シャルロッテは震える手で紅茶を飲み込んで話題を変える為に口を開いた。
「ハリエットお姉様と妹のイーヴィーはどこに?私、二人に会うのを楽しみにしていましたのに……」