【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜

「あぁ、今は魔法の訓練をしているんだ。なかなか上達しなくてね」

「えぇ……そうだったわね」

「…………そうですか。お姉様達にも会えたらって思っていたのですが」


シャルロッテはそう言って残念そうに俯いた。
それを見たブルックスは「どうにかならないか?」と声を上げる。


「そ、そうだ。今から呼んでこよう」

「いいのですか!?ありがとうございます。お父様」

「ははっ、シャルロッテの為だ」


どうやらハリエットとイーヴィーは、シャルロッテが思っているよりも、いい状態ではないようだ。
しかしシャルロッテの成り上がったこの姿を見せなければ次に進めない。

ディストン侯爵は立ち上がり扉の外に出て、侍女達を怒鳴りながら命令を下している。
その声はここまで響いてくるのを侯爵夫人が声のボリュームを上げて誤魔化すように話している。

(……笑えるくらい何にも変わっていない)

再びサロンの中に入って来たディストン侯爵は「すぐに準備をさせるからな」と笑っている。

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