【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜

「今日は本当に素晴らしい日だわ！ねぇ……ブルックスお兄様」

「良かったな、シャル」

「まさかあなたがこんなにも素晴らしい子に育ってくれたなんて……わたくし達も本当に嬉しいわ」

「ふふっ……」


そんな話をしているとディストン侯爵がシャルロッテの前に戻ってくる。


「本当に国王陛下には感謝してもしきれないな。もっとシャルロッテのことを教えてくれ」

「…………はい。お父様、お母様」


一瞬で手のひらを返したディストン侯爵と夫人に、乾いた笑みしか出てこなかった。

(……あの二人が出てくる前に仕掛けましょうか)

シャルロッテは後ろを振り向いて、一緒に付いてきていたマウラに声を掛けた。
マウラは二人を睨みつけて顔を歪めている。


「あ、そうだわ！マウラ、アレを出して頂戴」

「……。かしこまりました」


マウラは綺麗にお辞儀をしてから何かを持ちに向かう。
暫くするとマウラは小さいが豪華な箱を持ってくる。