【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜
地味なドレスを着て佇んでいる二人に対して、シャルロッテは流行の最先端の美しいドレスを着ている。
腰ほどまでのサラサラの長く白い髪は手入れが行き届いており、動きに合わせて流れるように揺れた。
隠してばかりいた前髪は眉程で綺麗に整えられている。
頭から足先まで、その差は明らかだろう。
そして隣にはブルックスの姿だ。あの時とは逆で二人とは天と地ほどの差だ。

(先ずは……お前達からだ)

シャルロッテがいないからか、家が傾きつつあるからか。
以前ほど溺愛はされていないようだ。
二人を睨みつける父の姿に見てそう思った。

シャルロッテはブルックスに身を寄せて怯えた表情でギュッと瞼を閉じた。


「怖いわ……ブルックスお兄様。私、お二人に睨まれているような気がするの」

「…………シャル」


強張る体と弱々しい声を聞いたブルックスがシャルロッテの肩を抱く姿を見て、ますますイーヴィーの顔が険しくなる。
昔からそうだったがハリエットに比べてイーヴィーは感情的になりやすい。
すぐにイーヴィーの方が落としやすいと気付いたシャルロッテは、潤んだ瞳でディストン侯爵に訴えかける。


「私は……やはり嫌われているのでしょうか?」


その言葉に大きく反応を示したのはディストン侯爵だった。


「何をしているっ、イーヴィーッ!」

「……っ、あ」
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