【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜

ディストン侯爵の声に大きく反応するイーヴィーの手は微かに震えている。
どうやらハリエットよりも頭もいいわけでもなく、魔法も一属性で粗相をしやすいイーヴィーがディストン侯爵の標的になりやすいのだろう。

(……前は自分と同じ属性だって、褒め称えていたくせにね)

イーヴィーを叱った侯爵はシャルロッテに優しい笑みを浮かべる。


「シャルロッテ、すまない。気を悪くしないでくれ」

「大丈夫ですわ……お父様」

「すまない。あとでキツく言い聞かせておこう」


その言葉にシャルロッテは小さく頷いた。
ブルックスはシャルロッテの表情が戻ったのを見てか笑みを浮かべた。


「シャルロッテはブルックス殿下にとても愛されているのね」

「えぇ！ブルックスお兄様はいつも私を優先してくれますわ」

「ああ、そうだな」

「ですがブルックスお兄様だけはずっと私に寄り添ってくれましたから」

「そう。素敵ね」

「デイヴィッドお兄様も、私を妹みたいに可愛がって下さっています」

「まぁ！デイヴィッド殿下も……素晴らしいのね」

「……っ」