【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜
魔法を使っている時もそうだった。
彼女は冗談や悪戯だと言っていたが、明らかに悪意があるように思えた。
まるで『いつでもお前達を殺せる』そう言われているように思えた。
ハリエットには、あえてイーヴィーを煽って遊んでいるように見えたのだ。

以前の大人しく小さなシャルロッテはどこにもいない。
ハリエットはふと、シャルロッテがよく覗いていた小窓を見上げた。
今は木の板で塞がれているが、シャルロッテはずっとあの部屋に閉じ込められていたのだ。

(その恨みを、今になって晴らそうというの……?)

確かに六年前まで両親に言われるがままシャルロッテは『イラナイもの』として扱っていた。
それが正しいと思っていた。

けれど、魔力検査の日に全てが変わった。

そしてシャルロッテは強大な力を持って現れた。
ハリエットは震える体を押さえていた。

『ウフフ……ハリエットお姉様、イーヴィー。また遊びましょうね?』

シャルロッテの綺麗に弧を描いた唇と歪んだ赤い瞳が、頭に焼き付いて離れなかった。
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