【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜
あの日からシャルロッテはディストン侯爵家に頻繁に通うようになっていった。
本当にデイヴィッドを連れてきたこともあった。
しかしあまりにも見窄らしい格好をしていた為、ハリエットは恥ずかしくて前に出ることができなかったが、イーヴィーはいくら止めたとしても必死にデイヴィッドにアピールを繰り返していた。

シャルロッテがブルックスと婚約した以上、ハリエットやイーヴィーがデイヴィッドと結ばれることはあり得ない。
これが講師も呼べなくなりマナーなど身につけることが中途半端になってしまったイーヴィーの末路だと思うと何も言えなくなった。

そしてシャルロッテが来るたびに彼女への嫉妬や妬みが増していく。

シャルロッテはデイヴィッドだけではなく、父を喜ばせようとしたのか魔法大臣を連れて来た。
その時の父の必死さは痛々しくて見ていられなかった。 
唾を吐き散らしながら『土魔法』をアピールする父とは違い、大臣の目は冷ややかなものだった。
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