【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜

しかし大臣がシャルロッテを可愛がっていることは明白だった。
父はシャルロッテさえいればチャンスが大いにあると希望を見出して媚びへつらっている。

母はシャルロッテが度々持ってくる宝石やブランドのドレスに夢中だった。
あれだけシャルロッテを邪険にしていた母は簡単に寝返った。

シャルロッテが無害で、自分達の愛を求めていただけだと判断したのだろう。
母と楽しそうにドレスを選んでいるシャルロッテを見つめながら思っていた。

(イーヴィーやお父様、お母様は踊らされているだけよ……！どうして気づいてくれないの！？)

徐々に徐々に、ディストン侯爵家は侵食されていった。

ついこの間は、やっと得た仕事の報酬を屋敷の補修に使っていた。
『シャルロッテが連れてくる方々に失礼のないようにしなければな』
そして『シャルロッテの為に』と口癖のように言っている。
どんどんと増えていく使用人。
宝石やドレスなどの贅沢品の数々に絶句していた。