【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜

「やめなさいですって？すっかり腑抜けちゃて信じられない……！まさかあのぶりっ子女が怖いの！？そのうちわたくしがデイヴィッド殿下に見そめられて王家に嫁いでやる」

「…………」

「そして、あの女をあの場所から引きづり下ろしてやるッ！！」

「もう……関わらないほうがいいわ」

「何言ってるのよ？折角、デイヴィッド殿下とお近付きになれるチャンスなのに！」

「あの子がブルックス殿下の婚約者なのよ！？いい加減目を覚ましっ……」

「──うるさいッ！」


イーヴィーの怒鳴り声が響いた。


「イーヴィー……」

「昔のお姉様はそんなこと言わなかったわ。今は腑抜けちゃって全然駄目ね。お姉様こそ婚期を逃さない方がいいんじゃない？」

「え……？」

「ふん……頑張らないと売れ残っちゃうわよ？」

「ッ！？」


イーヴィーはそう言って蔑むようにこちらを見て去っていく。
イーヴィーは生活が元に戻った瞬間から再び以前の横暴さを取り戻していた。
シャルロッテに対しての暴言を侍女の前で平然と吐いている。
その侍女達がどんな顔でイーヴィーを見ていたのかも気付かずに……。