【コミカライズ企画進行中】透明令嬢の報復〜絶望の炎と甘い闇〜
「煩いわね……なにやっているのよ!こんな真夜中に」
「ネズミがこいつを誑かして逃がそうとしたんだ」
「ふん……傷つけるな、なんてめんどくさい条件をつけられなきゃ今頃ボコボコにしてやったのに」
そこに現れたのは気怠そうにシャルロッテを見下しているディストン侯爵夫人だった。
「このまま朝まで拘束しといた方がいいんじゃないのかしら?それと逃げたネズミは駆除しなくていいの?余計なことを喋る前に潰しておきましょうよ。今はハリエットとイーヴィーにとって大切な時期なんだから……」
「…………ッ!」
ネズミとはマウラのことだろう。
その言葉にディストン侯爵夫人を睨みつけた。
「…………その目、気に入らないわね」
振り上げた夫人の手が目の前に迫ったが、ディストン侯爵が後ろから手首を掴んだ為か、手のひらは頬に届くことはなかった。
「ちょっと離しなさいよッ」
「おいッ、金が貰えなくなってもいいのか!?」
「チッ……本当、腹立たしいったらないわ。わかったわよ」
「…………」