冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
「そんな言い方しないで、元気かと聞いているのよ」
彼がそんな言い方をするなんて悲しい。
「父上も母上も大丈夫だ。気丈な人達だから」
「お姉さまは?」
「まだ、彼女をそう呼ぶの?」
鋭い語気に驚いた。レティシアはリーンハルトの手をそっと握る。いつもは温かい彼の手が熱を失っていた。
「落ちついてリーンハルト。ゆっくりでいいから、今話せることを話してくれる」
「くそ、俺はレティシアから聞いていたのに」
彼にループのことを言わなければよかったと胸が痛む。
「違う。私だって呪いだなんて確信はなかった。それに呪われたと言ってもあんな奇妙な事普通おきないでしょう?」
「そうとは言い切れない。レティシア、ちょっと待って、今落ちつくから」
そういうとリーンハルトは目を閉じて深呼吸した。それから青い瞳を開いた瞬間彼はいつもの彼で。
「もうとっくに過ぎているけれど、レティシア、二十歳の誕生日おめでとう」
淡く笑みを浮かべた。初めて見る表情。いつの間にかまた大人になってしまったのだと思った。
――やっと二十歳になれたのに、思っていたような解放感も喜びもなくて。
彼がそんな言い方をするなんて悲しい。
「父上も母上も大丈夫だ。気丈な人達だから」
「お姉さまは?」
「まだ、彼女をそう呼ぶの?」
鋭い語気に驚いた。レティシアはリーンハルトの手をそっと握る。いつもは温かい彼の手が熱を失っていた。
「落ちついてリーンハルト。ゆっくりでいいから、今話せることを話してくれる」
「くそ、俺はレティシアから聞いていたのに」
彼にループのことを言わなければよかったと胸が痛む。
「違う。私だって呪いだなんて確信はなかった。それに呪われたと言ってもあんな奇妙な事普通おきないでしょう?」
「そうとは言い切れない。レティシア、ちょっと待って、今落ちつくから」
そういうとリーンハルトは目を閉じて深呼吸した。それから青い瞳を開いた瞬間彼はいつもの彼で。
「もうとっくに過ぎているけれど、レティシア、二十歳の誕生日おめでとう」
淡く笑みを浮かべた。初めて見る表情。いつの間にかまた大人になってしまったのだと思った。
――やっと二十歳になれたのに、思っていたような解放感も喜びもなくて。