冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
――ミザリー・ドーソンに悲劇が起こった頃、シュミット家の領地が水害に遭いちょうど大変な時だったので、オスカーは迎えに行けなかったと言う。それにすでに家督を継いでいた彼が往復二ケ月近くもかかる国に自領を放って行くわけにもいかない。そのために起きた悲劇だった――
◇
再び、何もない埃っぽい田舎を乗合馬車を十日以上乗り継ぎ、途中トラブルはあったものの、やっと港にたどり着き乗船した。久しぶりに安い宿屋ではなく、一等船室に泊まりレティシアは自分が貴族だと思い出した。
下船後二人は久しぶりにラクシュア王国に帰ってきた。港につくとほっとする。明日はシュミット家の馬車が迎えに来る。
いい宿屋に泊まり、湯浴みをし、二人一緒にディナーを食べた。
「ねえ、なぜ、お父様はあんな遠い国に留学したの?」
「ああ、当時あの国では農業が進んでいたらしい」
と言いながらリーンハルトがカモ肉を綺麗に切り分け口に入れる。こんな食事にありつけたのも久しぶりだ。一等船室とはいえ、船の食事も保存のきくものばかりでそれなりだった。
「え? それをわざわざ学びにいったの」
「安定的に農作物を供給することは難しいんだ。家の領地でも不作の時はあったからね。父上があの国で学んだことを持ち帰ったおかげで安定している」
「お父様、凄い方なのね。領地のためにそこまでするなんて」
優秀で天才肌のリーンハルトは、努力家で人格者の父をとても尊敬している。だからリーンハルトも王宮や学園にパイプを持ってより領地を富まそうとしているらしい。
「まあ、異国の旅も概ね無事に終わってよかった」
と言ってリーンハルトがすまし顔で、食後に運ばれてきた紅茶を飲む。
「何言っているのよ。あなた、何であんなにムキになって追い剥ぎ捕まえたりしたのよ。おかげで帰国が二日遅れたじゃない」
帰りに二人が乗った乗合馬車が四人組の追い剥ぎに襲われたのだ。
「褒められこそすれ、非難されることではないだろう」
義弟は不満そうな顔をするが、正義感が強いのも善し悪しだ。彼は御者と協力して、武器を振り回し魔法を使う四人組を全員捕らえて役人に突き出した。
「もう、見ている方は心配でハラハラするからやめてよ」
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再び、何もない埃っぽい田舎を乗合馬車を十日以上乗り継ぎ、途中トラブルはあったものの、やっと港にたどり着き乗船した。久しぶりに安い宿屋ではなく、一等船室に泊まりレティシアは自分が貴族だと思い出した。
下船後二人は久しぶりにラクシュア王国に帰ってきた。港につくとほっとする。明日はシュミット家の馬車が迎えに来る。
いい宿屋に泊まり、湯浴みをし、二人一緒にディナーを食べた。
「ねえ、なぜ、お父様はあんな遠い国に留学したの?」
「ああ、当時あの国では農業が進んでいたらしい」
と言いながらリーンハルトがカモ肉を綺麗に切り分け口に入れる。こんな食事にありつけたのも久しぶりだ。一等船室とはいえ、船の食事も保存のきくものばかりでそれなりだった。
「え? それをわざわざ学びにいったの」
「安定的に農作物を供給することは難しいんだ。家の領地でも不作の時はあったからね。父上があの国で学んだことを持ち帰ったおかげで安定している」
「お父様、凄い方なのね。領地のためにそこまでするなんて」
優秀で天才肌のリーンハルトは、努力家で人格者の父をとても尊敬している。だからリーンハルトも王宮や学園にパイプを持ってより領地を富まそうとしているらしい。
「まあ、異国の旅も概ね無事に終わってよかった」
と言ってリーンハルトがすまし顔で、食後に運ばれてきた紅茶を飲む。
「何言っているのよ。あなた、何であんなにムキになって追い剥ぎ捕まえたりしたのよ。おかげで帰国が二日遅れたじゃない」
帰りに二人が乗った乗合馬車が四人組の追い剥ぎに襲われたのだ。
「褒められこそすれ、非難されることではないだろう」
義弟は不満そうな顔をするが、正義感が強いのも善し悪しだ。彼は御者と協力して、武器を振り回し魔法を使う四人組を全員捕らえて役人に突き出した。
「もう、見ている方は心配でハラハラするからやめてよ」