冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
「姉上、直接、レティシアに言ったらどう?」
ミザリーは彼の言葉にハッとした。
「え、私が、直接?」
なぜ? あなたが言ってくれるのではないの?
「前から思っていたけれど、あいつには直に言った方がいい。じゃないと伝わらない。ただ、アーネスト様の事は気にする必要はないよ。あの方はしっかりとしたお方だ。大丈夫だよ。心配しなくて」
そう言って、気遣うようにリーンハルトが微笑む。
「そう」
だから、ミザリーも穏やかに頷き、微笑み返した。
それから、話題はレティシアから逸れる。
リーンハルトはレティシアが嫌いなくせに、自分から陰口をたたかない。
(もしかして、彼もアーネストや、お父様のようにレティシアのことが気に入り出しているの?)