冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
 そのおかげで、熊のようなバートン先生の元に月二回通っている。なんでもデータが取りたいそうだ。

「結婚相手が引く手あまたでしょう? もうお相手はいるの?」
 
 そういえば、前回は十五歳でトレバーと婚約したが、今回は学校に通っているせいかそう言う話は一切ない。きづけば、もうすぐ十七歳になる。

「いいえ、全く。それで話を戻すけれど、珍しいと言われている光属性と闇属性が上のクラスに行けるの?」
 
 リーンハルトは確か水属性だと言っていた。

「違うわ。闇属性しか持たない者はほぼ、Fクラスから出られないわ」
「え? それはどうして?」
 
 Fクラスでレティシアは遠巻きにされていた。彼らの団結力はとても強かった。

「呪術や占いに使われるから、卑しいものとされているの。それに魔力があるというのとは、闇属性は少し違うのよ。思いの強さが呪いを作ると言われている。
 魔術とでもいうのかしら、彼らは形を学び、術を展開するのよ。私も詳しい事は知らないのだけれど。
 ただ、庶民の間では闇属性は人気があるわ。市井で占い師やまじない師として成功して金を稼ぐ者もいるのよ」
「……そう」

 それで、闇属性が欲しいと言ったらリーンハルトの機嫌が悪くなったのかと分かった。それならそうと言ってくれればいいのに。
 マリーナの話によるとこの学校を出た闇属性持ちの庶民は皆、市井で占い師やまじない師になると言う。ちなみに貴族令嬢にこの属性が出た場合は隠されるべきものらしい。

「それに比べて光魔法には病気やケガを治癒する力があるわ」

 彼女の話はなおも続く、レティシアは情報に飢えていたので、ありがたく聞く。

「でも、何かの役に立つのかしら。ちょっとしたケガを治すならば、便利だけれど。医術が発達しているし、別に必要ないんじゃないの?」
「あら、そんなことないわよ。働いて自活できるわ。尤もシュミット家なら、その必要はないだろうけれど。ほんと恵まれているあなたが羨ましい」
「私は、絶対に働いて自活するの」

 レティシアがそう言い切ると、マリーナが目を丸くした。

「あなた、変わっているのね」
「そういう、マリーナこそ、なぜ、魔法師の勉強をしているの?」

 中には花嫁修業や趣味のためという者もいると聞いたことがある。

「家庭教師になろうかと思って」
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