冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
◇◇◇
その日、リーンハルトは寮に戻らず家に帰った。早速父の書斎に向かい。書庫の閉架の鍵を借りに行く。
「あんなところに何の用があるのだ。まあ、希少な蔵書には変わりはないから、じっくり見ておくにこしたことはないが。私も一緒に行こうか?」
オスカーが心配そうな顔をする。あまり良くない魔力を帯びた本もあるからだ。
「父上、大丈夫ですよ。俺をいくつだと思っているんですか」
いくら優秀だと言っても父から見ればリーンハルトはまだ十六歳の少年だ。
閉架は書庫の地下にある。
リーンハルトは書庫の奥にある片開のドアから地下へと続く薄暗い階段を下りた。ひんやりとした独特の空気が漂う。ここには数年前、父と一緒に来たきりだ。いずれはリーンハルトが管理する場所だからと連れてこられた。
早速、魔術書が置いてある場所へ向かう。闇属性持ちはほぼ庶民で占められているが、希少で高価な魔術書を所持しているのは貴族だ。
魔術書は危険なものなので、所持している貴族はそれが市場に出回ることがないようにこうして地下に保管している。
書架を見て回っていたリーンハルトはすぐに違和感を覚えた。父はさらっと見回りに来るくらいだと言っていた。それなのに闇魔法に関する書物が置かれている場所だけ埃が払われ、妙に綺麗だ。特に黒魔術に関する書籍が集まっている場所が。まるで誰かが頻繁に閲覧している様に。
闇属性は他の魔力持ちとは少し性質が違う。魔術を執り行うのにより有利な力を持っているということだ。魔術は術式にのっとれば誰でも扱えると言われている。ただ闇属性がないと効果は出にくく、失敗することもある。特に光属性を持つ者は呪いに関する魔術が使えない。そのため、闇と光で打ち消しあうのではないかと言われてきた。
家族で光属性を持つのはレティシア。それにオスカーとリーンハルトが弱いながら持っている。つまりこの家で呪いを発動できるのはこの三人以外、使用人も含め全員だ。
分厚い本を手に取りぱらぱらと数冊をめくってみたが、古い本は古語で書かれていた。リーンハルトでも読み進むのに時間がかかる。
そして閉架には誰かが頻繁に出入りしている。
リーンハルトは執務室にいる父のもとに向かった。誰が出入りしているのか確認しておいた方がいいだろう。
その日、リーンハルトは寮に戻らず家に帰った。早速父の書斎に向かい。書庫の閉架の鍵を借りに行く。
「あんなところに何の用があるのだ。まあ、希少な蔵書には変わりはないから、じっくり見ておくにこしたことはないが。私も一緒に行こうか?」
オスカーが心配そうな顔をする。あまり良くない魔力を帯びた本もあるからだ。
「父上、大丈夫ですよ。俺をいくつだと思っているんですか」
いくら優秀だと言っても父から見ればリーンハルトはまだ十六歳の少年だ。
閉架は書庫の地下にある。
リーンハルトは書庫の奥にある片開のドアから地下へと続く薄暗い階段を下りた。ひんやりとした独特の空気が漂う。ここには数年前、父と一緒に来たきりだ。いずれはリーンハルトが管理する場所だからと連れてこられた。
早速、魔術書が置いてある場所へ向かう。闇属性持ちはほぼ庶民で占められているが、希少で高価な魔術書を所持しているのは貴族だ。
魔術書は危険なものなので、所持している貴族はそれが市場に出回ることがないようにこうして地下に保管している。
書架を見て回っていたリーンハルトはすぐに違和感を覚えた。父はさらっと見回りに来るくらいだと言っていた。それなのに闇魔法に関する書物が置かれている場所だけ埃が払われ、妙に綺麗だ。特に黒魔術に関する書籍が集まっている場所が。まるで誰かが頻繁に閲覧している様に。
闇属性は他の魔力持ちとは少し性質が違う。魔術を執り行うのにより有利な力を持っているということだ。魔術は術式にのっとれば誰でも扱えると言われている。ただ闇属性がないと効果は出にくく、失敗することもある。特に光属性を持つ者は呪いに関する魔術が使えない。そのため、闇と光で打ち消しあうのではないかと言われてきた。
家族で光属性を持つのはレティシア。それにオスカーとリーンハルトが弱いながら持っている。つまりこの家で呪いを発動できるのはこの三人以外、使用人も含め全員だ。
分厚い本を手に取りぱらぱらと数冊をめくってみたが、古い本は古語で書かれていた。リーンハルトでも読み進むのに時間がかかる。
そして閉架には誰かが頻繁に出入りしている。
リーンハルトは執務室にいる父のもとに向かった。誰が出入りしているのか確認しておいた方がいいだろう。