冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
「まあ、確かに失敗した地点からやり直すことが出来ればと思う事はあるだろうね」
「いえ、あの、そうではなくて。たとえば、殺されて数年前に戻り、また殺されて戻ることをくり返して先に進まないことってあると思いますか?」
「面白いことを言うね。まず仮定として、一度殺されればいつどこで殺されるのかは分かっているから、その状況を避けようとするよね」
さすがはバートンだ。話が早い。
「はい。だから、その状況を避けようとすると今度は別の方法で殺されてしまうっていうか」
するとバートンがひょいと片眉を上げる。
「ほお、まるで呪いのようだね。それでなければ地獄」
「地獄ですか?」
「ああ、これは異教の考えなのだが、地獄というものがあってずっと同じ苦しみが繰り返される」
「え? じゃあ、ここが地獄で、もう死んでると?」
「レティシア、どうしたんだい? まるで自分がそういう経験をしているようなことを言う。ここは地獄ではないよ。現実だ」
バートンが心配そうに言う。レティシアは慌てて首をふった。
「いえ、まさか。すみません。おかしなことを言って」
「学問に興味を持つのは良いことだが、悪用してはいけない。ただ、古代に封印された魔術にはそのような類のものがあるかもしれないね。一般に呪いと言われているが」
「呪いですか?」
するとバートンがそれまでの緊張感を壊すように「ふふふ」と笑う。
「いずれにしても呪いは存在する。だが、人を殺すような強い呪いをかけた者の罪は重い。この国では死罪だ。それにもちろん、学園でもそのような強い「呪い」は教えてはいない」
レティシアはふるりと震えた。
「初めて聞きました」
「そうだろうね、公にはされていない。だが、王族などはいまだに呪われることもあるからね。興味があるのならば、研究熱心なリーンハルトに聞いて見るといい」
「リーンハルトにですか?」
「彼が前に同じような質問をしてきたよ。よく姉弟で話し合ってみるといい。だが、くれぐれも黒魔術には深入りしないように、そこら辺はリーンハルトがわかっていると思うがね。だから調べてみるならば、君一人ではなく彼と一緒に」
「はい、ありがとうございます」
驚いたと同時に胸が熱くなる。レティシアの言った事を気にして、リーンハルトがバートンにまで聞いてくれていたのだ。
「いえ、あの、そうではなくて。たとえば、殺されて数年前に戻り、また殺されて戻ることをくり返して先に進まないことってあると思いますか?」
「面白いことを言うね。まず仮定として、一度殺されればいつどこで殺されるのかは分かっているから、その状況を避けようとするよね」
さすがはバートンだ。話が早い。
「はい。だから、その状況を避けようとすると今度は別の方法で殺されてしまうっていうか」
するとバートンがひょいと片眉を上げる。
「ほお、まるで呪いのようだね。それでなければ地獄」
「地獄ですか?」
「ああ、これは異教の考えなのだが、地獄というものがあってずっと同じ苦しみが繰り返される」
「え? じゃあ、ここが地獄で、もう死んでると?」
「レティシア、どうしたんだい? まるで自分がそういう経験をしているようなことを言う。ここは地獄ではないよ。現実だ」
バートンが心配そうに言う。レティシアは慌てて首をふった。
「いえ、まさか。すみません。おかしなことを言って」
「学問に興味を持つのは良いことだが、悪用してはいけない。ただ、古代に封印された魔術にはそのような類のものがあるかもしれないね。一般に呪いと言われているが」
「呪いですか?」
するとバートンがそれまでの緊張感を壊すように「ふふふ」と笑う。
「いずれにしても呪いは存在する。だが、人を殺すような強い呪いをかけた者の罪は重い。この国では死罪だ。それにもちろん、学園でもそのような強い「呪い」は教えてはいない」
レティシアはふるりと震えた。
「初めて聞きました」
「そうだろうね、公にはされていない。だが、王族などはいまだに呪われることもあるからね。興味があるのならば、研究熱心なリーンハルトに聞いて見るといい」
「リーンハルトにですか?」
「彼が前に同じような質問をしてきたよ。よく姉弟で話し合ってみるといい。だが、くれぐれも黒魔術には深入りしないように、そこら辺はリーンハルトがわかっていると思うがね。だから調べてみるならば、君一人ではなく彼と一緒に」
「はい、ありがとうございます」
驚いたと同時に胸が熱くなる。レティシアの言った事を気にして、リーンハルトがバートンにまで聞いてくれていたのだ。