冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
レティシアが社交を嫌うようになった発端は、茶会だ。当時十二歳だった彼女は他家の令嬢達から、寄ってたかって、マナーの悪さを指摘された。
「ねえ、ガチャガチャと食器の音を立てないでくださらない」
「え……」
まさか非難されるとは思わずレティシアは目を瞬いた。
「そうよ。さっきから食べこぼしているし、あなたを見ているとお茶がまずくなるわ」
「そんな、私……」
恥ずかしくて悔しい。
しかし、茶会にも慣れず友達もいないレティシアに、上手く躱すすべはなかった。
それをミザリーが必死で庇ってくれた。
「しょうがないのよ。この子は、わけあって市井で育った子だから。でも今は一生懸命努力しているわ、だからマナーが身につくまで、大目に見てあげて」