Triangle Love 6 ~ 両手の花には罪と罰 ~
『それでは…。誕生日おめでとう!』

『やったぁ!ありがとうございます~!』

オレは勢いよくクラッカーを発射した。

帰宅後はすぐに、誕生日会の準備をした。

準備を終えてから数分でアヤが家にやって来た。

ギリギリ間に合って良かった。

小さな白いローテーブルには、ホールケーキが乗っている。

ホールケーキはあらかじめ予約していたから、大会の帰りに引き取った。

さらには、アヤの好きなハンバーグとココアも乗っている。

物が乗り過ぎて、テーブルから落ちそうなのが怖い。

『ほいよ。これ、誕プレ。』

ご飯を食べる前に渡しておきたいと思った。

オレは、アヤが大好きなクマのキャラクターのぬいぐるみ(蜂蜜を舐めるタイプのクマ。特大サイズ。)を抱えて手渡した。

『わーい!ありがとうございます!でかっ。わたしの大好きなやつ~!かわいー!』

『あんまり大きいとウザいかなって思ったんだけど、ぬいぐるみのサイズはオレの気持ちだから。特大しかなかった。』

『本当にありがとうございます。わたしは幸せ者です!』

『…昼間はごめんな。』

アヤはとても嬉しそうだ。

少し目を潤ませている。

そしてオレは、力無く謝った。

『先輩は悪いことしてないですよ!それに今、とっても幸せなんで何の問題もないです!』

アヤはそうやって言ってくれたけど。

本当は何に謝っているのか。

自分だけがなんとなく分かっている。

『それなら良かったよ。いっぱい食べてくれ。』

『はい!あれ?先輩は食べないんですか?』

『あんまり食欲なくてな…。少しだけ食べるよ。ケーキとか美味しそうだしな。』

食欲がないことを見越して、ハンバーグは1人分しか作っていない。
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