Triangle Love 6 ~ 両手の花には罪と罰 ~
時計の針が17時半を指した。

もう約束の時間だ。

ピーンポーン。

ドアのベルが鳴った。

オレはローテーブルの前から立ち上がった。

玄関に移動し、ドアの鍵を開けに行った。

『はいよー。』

『お邪魔します!』

彼女のアヤが家にやって来た。

付き合い始めて半年ほど経つ。

今日はウチに泊まっていく予定だ。

『あ、今日はカレーなんですね!』

『何となく食べたくなった。』

『分かります!なんか急に食べたくなりますよね!』

『だよな。準備するからちょっと待ってて。』

オレはそう言って、アヤを居間(って呼べるほど広くない。メインの部屋ってこと。ちなみに和室。)に通した。

既にカレーは出来上がっていたので、数分で用意ができた。

小さな白いローテーブルに水が入ったコップとカレーとスプーンを持っていこうとした。

しかし、アヤがキッチンまでやって来て持っていってくれた。

『それくらいやるって。』

オレがそう言うと、アヤは威勢よく答えた。

『いいんです!わたしがやりたいんです!』

それならいいだけどさ。

オレ達はローテーブルの前に座った。

カレーの匂いとアロマオイルの匂いが部屋中を漂っている。

『美味しそうです~!頂きます!』

『あいよ。』

『ん。おいしー!』

アヤはスプーンを加えたまま、はしゃいでいる。

昨日のうちに多めに作っておいて良かった。

2日目のやつだから美味しいよ、とは言わないでおく。
< 4 / 28 >

この作品をシェア

pagetop