Triangle Love 6 ~ 両手の花には罪と罰 ~
オレ達が通う学校は、3学年、A〜Jの10クラスで編成されている。

今年のオレはH組だ。

シオリは高校1年生の時、去年のクラスメイトだ。

残念ながら、今年は違うクラス。

友達のジロウも去年のクラスメイトだったから、シオリとは面識がある。

自然と仲良くなり、休日に遊ぶようになった。

アヤは1学年下の後輩だ。

同じ中学校出身の後輩でもある。

今年の4月に高校で偶然再会し、仲良くなった。

2人と同時に付き合い始めたのは、半年前。

5月のことだ。

まず、シオリと付き合い始めた。

休日に遊んだ帰り道、何となく付き合おうかという話になった。

断る理由もなかったし、シオリのことは好きだったので、交際を開始した。

問題はその3日後。

放課後にアヤと遊んだ帰り道のこと。

アヤから告白をされた。

入学したばかりの彼女からそんなことを言われるとは思わなかったので、驚いた。

詳しく話を聞くと、中学生の時から気になっていたらしい。

断る理由もなかったし、アヤのことも好きだったので交際を開始した。

残念ながら、オレの顔はカッコよくない。

せめて普通の顔ではあってほしいけど。

背も低くはないが高くもない。

1人暮らしの為に、テストは平均点以上の点数を取っている。

でも、頭は良くない。

要するに、どこにでもいる普通の奴だ。

ちなみにオレの通っている高校には、ビビるくらいのイケメンが何人かいる。

生徒会長とか、なぜか花壇にいる不良とか。

誰でも一目見たら、こんなかっこいいの?ってなるような連中だ。

だからシオリもアヤも、オレのことなんかすぐに飽きるだろうと思っていた。

先のことなんか考えず、軽い気持ちだった。

しかし、1ヶ月程付き合って気づいた。

この2人は、オレのことがかなり好きだ。

自分で言うのはかなり気持ち悪いし、とにかく気持ち悪い。

理由は分からないけど、ありがたい話だ。

詳しくはないが、人間は他人から好意を向けられると返したくなる心理があるらしい。

シオリとアヤに会えば会う程、好きになり、大切な存在になっていった。

オレの、2人に対する気持ちに差はない。

まさかこんなことになるなんて…。

いや、時計の針を戻すことはできない。

傷つけることなく2人を大切にして。

自分なりのやり方で。

真剣に付き合っていくと決めた。
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