酩酊メロウ
「うん、何かあったから二の腕噛ませて」

「……ん?」


このタイミングで脈絡のないことを言ったらどうなるのか。
さすがの澪も混乱して首をこてんと傾ける。
その仕草がかわいいもんだから、衝動を我慢できず抱き上げ、リビングのソファに押し倒した。


「二の腕?二の腕って言いました?」

「うん、このムチムチの腕」

「ムチムチって言い方やめて!」


反応が見たいのと、ストレス解消のためじゃれ合いたくて澪の白くてもちもちした二の腕にカプッと甘噛みする。
澪は噛みつかれたことには抵抗しなかったが、ムチムチと言われたことには光の速さで反論してきた。

普段気にしねえのに言い返してきたってことは……さては澪、最近アイス食いすぎて太ったな。


「じゃあ、マシュマロ?」

「私の二の腕……そんなにぷよぷよ?」


噛むのをやめて言い換えても、澪は不満げに口を尖らせる。
うわっ、温厚な澪がいじけてる。ひよこみたいな唇がくっそかわいい。

思わずキスすると「誤魔化さないで下さい!」とさらにいじけて最高にかわいかった。
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