酩酊メロウ
愛でたい気持ちと、いじめたい気持ちがせめぎ合う。
普段なら理性で抑えて優しくするが、今日は後者が勝ってしまった。
澪のやわらかい肌に吸いつき、キスマをつけてやろうと企んだ。


「あっ、キスマーク付けるのはだめ!」


ところが珍しく抵抗すると、俺の顔を押さえて阻止してきた。
残念、澪の白い肌に痕を残すの、好きなのに。


「なんで?」

「見えるところはやめてください、この時期特に目立つから」

「だめかぁ」

「でも、見えないところなら……だめじゃない」


最近の澪は、所々で敬語が外れるのがかわいい。
お言葉に甘えて満足するまでキスマをつけていく。
鎖骨の下から腹にかけて、はだけた服の隙間から真新しい赤い痕ができて俺は満足した。

だが、これではあまり意味が無いと思った。
確かに支配欲は満たされる。しかし、根本のストレス解消には至っていない。


「んー、なーんか違うんだよな」


呟き、思い切って澪の胸に顔からダイブした。
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