酩酊メロウ
「期待しすぎだろ、中ドロドロ」

「っ、いわ、ないで」

「恥ずかしがるなよ、求められてるって感じて嬉しいのに」


1週間ぶりのセックスは、熱を体内に迎え入れただけで意識が飛びそうだった。
ヒゲを生やした憂雅さんの雰囲気が違うから、別の人としてるみたい。その相乗効果で重い快感が体を駆け巡る。

お互い、快楽を貪って溜めた欲をぶつけ合った。
その先の絶頂を求めて憂雅さんは腰の動きを激しくする。
快感の頂点を目がけて体が準備を始めたその時、枕元に充電のためコードに繋げて置いていた憂雅さんのスマホから、着信音が鳴り響いた。


「……はぁ?マジかよ」


憂雅さんは挿れたまま動きを止め、苦虫を噛み潰したような顔でスマホを手に取った。
ところが、着信の相手を見るとすっと眉間のシワを解き、私の顔とスマホの画面を交互に何度か見た。

まさか、この状況で着信に応じる気?
憂雅さんは片方の口の端を上げると画面をタップしてスマホを耳に当てた。
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