酩酊メロウ
流れるような動きだから抵抗できなかった。
腕の中にすっぽり収められてようやく違和感に気づいたくらい。


「ゆ、憂雅さん!?」


顔を上げると顎先に手を添えられて、いつの間にか至近距離にあったヘーゼル色の瞳に私の姿が映っていた。
遅れて唇に感触を覚え、キスされたと気がついた。

やっと防御反応が働いて憂雅さんの胸を押し返そうとしたものの、逃げられないにするため、指を絡めるように手を繋がれた。


「っ、ひぃ……」

「ビクビクしてかわいい」

「やめてください、なんのつもりですか?」


またキスをされそうな雰囲気だったから顔を逸らしたら首筋を舐められ、思わず唇の隙間から弱々しい声が漏れた。
憂雅さん、酔って思考回路がおかしくなってる。
逃げなきゃいけないのに、熱を孕んだ目に捕らわれて動けない。


「ずっと思ってたわけ」

「何を?」

「澪のこと、抱きたいって」
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