酩酊メロウ
「ひぁ、んっ」

「あんまり経験ない?すげえ敏感」


身体中をまさぐられて敏感になったところで、胸の先端をつままれて上擦った声が出る。
あんまりどころか男性経験は皆無。敏感になりすぎて自分の身体じゃないみたい。


「……綺麗な肌」

「っ、痛い……」


谷間に顔をうずめた憂雅さんは、不意に強く素肌を吸ってきた。
噛まれたと錯覚されるほどの鋭い痛み。
憂雅さんが顔を上げると、谷間にくっきりとキスマークが付いていた。


「痛い?ごめん我慢できなかった」


男の目をした憂雅さんが怖い。だけど次の瞬間、とろんとした目で微笑まれて理性を揺さぶられる感覚を覚えた。

女としての本能が、この人に抱かれたいと言っている。
抱かれたら家政婦と雇い主という関係は崩れてしまうのに。
だけどもう、お互いに手遅れだった。
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