酩酊メロウ
「怖い……優しくしてください」

「どうだろ、無理かも」

「初めてだから、怖い」

「初めて?マジ?」


震える声でせめて優しくして欲しいと懇願する。
憂雅さんは驚いた表情をした後、妖艶な色気を含んで笑った。


「俄然汚したくなる」


知らない表情、知らない手つき。
せめて乱暴にしてほしくない、その嘆願が火に油を注いでしまったらしく、欲情に拍車をかけてしまった。


「やっ……」

「力抜いて、痛くならないようにできるだけ善処するから」


濡れていたから、すんなり侵入を許してしまった。骨ばった長い指が中を広げて奥へと進む。
自分の指じゃ届かないところに指先が触れて、怖くて憂雅さんの身体にしがみついた。
憂雅さんは私の反応を見ながら指を出したり入れたりを繰り返す。


「やっ、あぁ」

「とろとろになってんの分かる?俺のが欲しいって吸い付いてきてんだよ」

「やだ、やぁ」

「嘘つけ、嫌がってる顔じゃねえから」


言葉すらまともに発せない私を見て笑う憂雅さん。
悪魔のような笑みが私の感情を支配する。
恐怖とも焦燥とも違うそれは、私の劣情をかき立てた。
< 18 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop