酩酊メロウ
服を脱いで全裸で抱き合う。
キスをすると鼻から抜ける酒のにおい。それにすら反応してしまって、私の身体はすっかり準備ができてしまった。

頃合いを見計らって、憂雅さんは間接照明が置いてあるテーブルから何かを取って破いた。
それがゴムだと分かって怖気付いた。だけど何もかも遅くて、腰を掴まれて覚悟を決めるしかなかった。


「怖い?」

「……はい」

「俺の顔見て」


股の間に擦り付けられた、反り立つそれを直視できない。
恐怖を別のことで紛らわすために、憂雅さんの顔を見つめて抱きしめて欲しいと腕を広げる。


「素直でかわいい」


だけどすぐに抱きしめてくれず、自身の根元を指先で押さえて腰を突き出すと、ついに先端が入口に当たって、太くて硬い熱が無理やり中にねじ込まれた。
耐えれる程度の痛みだけど、こんなに圧迫されて苦しいなんて聞いてない。

憂雅さんは吐息を漏らして、繋がったまま抱きしめてきた。


「さすがに狭いな、半分しか入らねえ」

「っ、うぁ……」

「けど締まり良すぎてすぐイきそう」


これで半分?これ以上は無理、絶対無理。
涙目で見つめると、憂雅さんは薄く笑ってキスをしてきた。

じっくり馴染ませた後、腰を浮かして動き始めた。
私は必死にしがみついて、酩酊状態の憂雅さんに抱かれた。

優しさと粗暴さの矛盾に心がかき乱されて、健全だと思っていた関係は、ものの1か月で壊れてしまった。
私、明日からどんな顔して働けばいいの。些末な悩みは次第に覚えていった快楽の渦に飲み込まれて消えた。
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