酩酊メロウ
「俺……最悪……」


お互い記憶になくてしばらく顔を見合わせていると、憂雅さんは私の肩を掴んだままうなだれた。


「ごめん……」

「私は借金のカタになるはずだったから、憂雅さんが何してもいいんですよ」


あんまりに落ち込むから何か言葉をかけなきゃと思って励ます。
豹変した憂雅さんがちょっと怖かったけど、優しくされたから痛くなかったし。


「いや、ダメに決まってんだろ。琥珀の友達に手出すとか……本当に申し訳ない、二度とこんなことしないから」


憂雅さんは猛省してベッドの上に正座している。187cmもあるって聞いたのに、今は一回りくらい体が小さく見えた。


「でも、あの……嫌じゃなかったので」

「は?」

「あ、えっと、流星くんと星奈ちゃん起こしてきます!あの子たち今日学校でした」

「……ああ、うん」


本音を零すと怪訝な顔をされた。
憂雅さんは堀が深くて目が大きいから至近距離でその顔をされると怖い。
慌ててベッドから離れて服を着ながら部屋を出た。
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