酩酊メロウ
その後バスルームの扉を開ける音がして「澪ちゃーん」と呼ばれたから、恐る恐るドアを開けてバスルームに足を踏み入れる。
「し、失礼します……えっ」
背中を向けてバスチェアに座る憂雅さん。
その背には陰影のハッキリした刺青が入っていた。
こういう時、怖いと思うのが普通なんだろうけど、羞恥心なんて消え去るほど目を奪われた。
背中全面に描かれた、宗教画のような繊細なタッチの、勇ましいモノクロの天使の刺青。
アクセントとして掘られたタトゥーじゃなくて、こんな立派な刺青は初めて見た。
そして住む世界が違うとひしひし感じた。
「……澪?」
「ごめんなさい、露骨に反応しちゃって」
「別にいいけど、この前見てないっけ」
「そんな余裕なかったです」
「じっくり見ていいよ、減るもんじゃねえし」
無意識のうちに許可をもらう前から近づいていた。
逆三角形のなめらかな広い背中に描かれたそれをじっくり眺め、感嘆のため息を漏らした。
「し、失礼します……えっ」
背中を向けてバスチェアに座る憂雅さん。
その背には陰影のハッキリした刺青が入っていた。
こういう時、怖いと思うのが普通なんだろうけど、羞恥心なんて消え去るほど目を奪われた。
背中全面に描かれた、宗教画のような繊細なタッチの、勇ましいモノクロの天使の刺青。
アクセントとして掘られたタトゥーじゃなくて、こんな立派な刺青は初めて見た。
そして住む世界が違うとひしひし感じた。
「……澪?」
「ごめんなさい、露骨に反応しちゃって」
「別にいいけど、この前見てないっけ」
「そんな余裕なかったです」
「じっくり見ていいよ、減るもんじゃねえし」
無意識のうちに許可をもらう前から近づいていた。
逆三角形のなめらかな広い背中に描かれたそれをじっくり眺め、感嘆のため息を漏らした。