酩酊メロウ
「けど諦めるつもりもないから、嘘を利用してこっちに引きずり込むしかねえだろ」

「……さっきからいったい、何の話ですか?」

「澪ちゃんは詳細なんて知らなくていい。ただ、俺から離れないでいてくれたら」


まるで私に愛着を持っているような口ぶり。
これもお得意の嘘?だけど私を騙したところで、利用価値はない。
だとすれば酔いの勢いなのか。後者ならば、私も質問してしまおう。


「憂雅さんは、私にどうして欲しいんですか」

「俺がいないと生きていけないくらい、溺れたらいいのにって思ってる」


溺れた先の関係は?さらに聞き出そうとしたけれど、憂雅さんはむき出しの本能をにじませた男の目で黙らせる。
その眼差しには弱いのに。目を逸らせないでいると「抱かせて」と耳元で囁かれ、なし崩しに体を許してしまった。
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