酩酊メロウ
「澪、好き」


とっさに手で顔を隠すと、信じられない言葉が私の心を揺さぶる。
大きな身体に見合わない小さな声。
指の隙間から見た憂雅さんの顔は、どこか切なくて泣きそうに見えた。


「っ、嘘つき……」

「酔ってる時にしか言えなくてごめん」


感化されてなぜか私が泣いてしまい、憂雅さんは慰めるように抱きしめてキスをして、また動き始めた。
さっきとは違ってゆっくり動いてくれて優しいのに、持続する快感の波に何度も絶頂を迎えた。


「俺のこと好き?」

「……」

「ねえ、答えて」


こんな甘い惑わせ方、私の知ってる憂雅さんじゃない。
そうだ、これはもう夢の中だ。
作り出した理想の偶像。現実がこんなに甘いわけない。

いっそ早く目覚めて絶望したい。じゃないと、本気で愛されたいと期待してしまうから。
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