酩酊メロウ
甘くて苦い
憂雅さんが家にいない日、夏休みに突入した私は双子たちの夏休みの宿題を見守っていた。
琥珀と絆さんは、組長夫妻と一緒に組のお偉いさんが集まる会合に出席するらしい。憂雅さんはそれについて行った。

そんな中私は子どもたちとのんびり過ごしている。ゆったりとした空気の中、私はただの家政婦なんだと改めて感じる。
住む世界が違うのに付け上がっていた。何度も抱かれたからって、憂雅さんの隣に立てるはずがないのに。


「澪、さいきん元気なくなーい？」


そんな私を見かねて、星奈ちゃんが話しかけてきた。
長い黒髪を揺らして首を傾げる。見た目に反して軽い口調だったから、ふざけてるのかと思って笑った。


「ふふ、その言い方ギャルみたい」

「憂雅のことで悩んでるの？」

「えっ……」


ところが図星を突かれて驚いた。
忘れていた、星奈ちゃんはまだ7歳だけど機転が利いて賢くて、大人みたいな考え方をする子だって。
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