酩酊メロウ
「あと、独りに慣れてた澪が、俺がいないとだめになってくれて願ったり叶ったり。
だってそもそも家政婦として雇ったわけじゃない。伴侶にしたいから連れてきた」


憂雅さんの口から紡がれる言葉全てが心を揺さぶる。
飢えて渇ききっていた心が急激に満たされて、あふれた愛が涙に変わる。


「でも私、憂雅さんの負担にはなりたくない」

「負担って?」

「今後、母親のことで迷惑かけるかもしれないし」


嬉しいのに、私の口から出る言葉はネガティブなことばかり。
すると憂雅さんは唇を尖らせて斜め上に視線を向けた。


「その話、嘘だって言ったらどうする?」

「え?」

「澪を手に入れたくて、気を引きたいための嘘だった。だから気兼ねなく飛び込んでおいで」


隠してきた嘘を暴露し、一方で無邪気な満面の笑みを浮かべる。
騙されたはずなのに、嘘つきの表情じゃなくてて混乱する。
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