酩酊メロウ
ようやく手に入れた澪に甘えたい放題なわけだが、今夜は琥珀と飲みに行ってる。

早く帰って来ねえかな。
今日は上層部のクソジジイどもの相手をして疲れたから、帰ってきたら全力で甘える。
すべすべでもちもちの脚で膝枕してもらう。

それだけを楽しみにしばらく待っていたけど、なかなか帰ってこない。遅くね?


「憂雅さーん!」


痺れを切らして電話をかけようとすると、玄関のドアが開いてやけにハイな澪の声が聞こえた。


「ただいまぁ」

「おかえり、泥酔じゃねえか」


玄関に向かうと、満面の笑みを浮かべて、琥珀と肩を組んで帰ってきた澪の姿が。

ここまで酔ってるのは初めて見たな、レアな姿だ、目に焼き付けておかねえと。


「琥珀と飲んだの久々で、楽しくて飲みすぎちゃいましたぁ。ね〜、楽しかったね」

「ふふ……澪、酔いすぎ」


酔いすぎ、と指摘する琥珀も笑い上戸になってるから、2人してだいぶ飲んだな。
楽しそうで何よりだが、酔っぱらいが肩を組んでると心配になる。

「こっちおいで」と澪に手を差し出すと、琥珀から離れて靴を脱ぎ、正面から抱きついてきた。
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