酩酊メロウ
憂雅さんの彼女である前に、私はただの家政婦で、絆さんと事務所のおじさん以外の極道とはまったく関わりがない。
今後もずっとそうだと思っていたけど、ひょんなことから、出張家政婦として本家に向かうことになった。
3人いる厨房係の内2人が、インフルエンザでダウンしてしまったらしい。
さすがのヤクザもインフルには勝てないらしく、厨房はてんてこ舞い。
そこでなぜか私に白羽の矢が立った。憂雅さんは“澪を本家に連れていきたくない”と嫌がっていたけど、渋々私を本家に連れてきた。
「本日は、よろしくお願いします!」
「こちらこそ、来てくれてありがとな」
午前8時、私は割烹着を着て、荒瀬組総本家の厨房に立っていた。
広大な敷地の立派な日本家屋。壁に囲まれた門のある家なんて初めて見た。
料理長の背の高い男性が迎え入れてくれて、握手を求めてきた。
「俺は力だ、よろしくな」
187cmある憂雅さんより背が高くて威圧感がある30代くらいの男性。
一重で鼻筋の通ったさっぱりした顔で、憂雅さんとタイプは違うけどカッコイイ。
手を握るとヤクザとは思えない爽やかな笑顔で対応してくれて、少し緊張がほぐれた。
今後もずっとそうだと思っていたけど、ひょんなことから、出張家政婦として本家に向かうことになった。
3人いる厨房係の内2人が、インフルエンザでダウンしてしまったらしい。
さすがのヤクザもインフルには勝てないらしく、厨房はてんてこ舞い。
そこでなぜか私に白羽の矢が立った。憂雅さんは“澪を本家に連れていきたくない”と嫌がっていたけど、渋々私を本家に連れてきた。
「本日は、よろしくお願いします!」
「こちらこそ、来てくれてありがとな」
午前8時、私は割烹着を着て、荒瀬組総本家の厨房に立っていた。
広大な敷地の立派な日本家屋。壁に囲まれた門のある家なんて初めて見た。
料理長の背の高い男性が迎え入れてくれて、握手を求めてきた。
「俺は力だ、よろしくな」
187cmある憂雅さんより背が高くて威圧感がある30代くらいの男性。
一重で鼻筋の通ったさっぱりした顔で、憂雅さんとタイプは違うけどカッコイイ。
手を握るとヤクザとは思えない爽やかな笑顔で対応してくれて、少し緊張がほぐれた。