酩酊メロウ
「俺のタイプは澪なんだって。壱華さんは母親恋しさに惹かれたっていうか、ガキの頃の話だから蒸し返すのやめろよ」

「ごめんな。凛兄ちゃん、お前に彼女ができたって聞いて年甲斐もなくはしゃいじまってさ」


自らを『凛兄ちゃん』と名乗る凛太郎さんは楽しそう。
本当に兄弟みたいに育ったんだろうな、仲の良さが伺えて私も嬉しい。


「憂雅ー、若いヤツら何人か連れてきてくんね?そろそろ昼メシ運ぶから」

「分かった、呼んでくる」


力さんは若頭補佐を顎で使っている。
上下関係の厳しい世界で、憂雅さんにそんな扱いをできる人間なんて数少ないだろう。

そういった意味でもここにいる3人は対等なのだと知った。

「俺のタイプは澪なんだって。壱華さんは母親恋しさに惹かれたっていうか、ガキの頃の話だから蒸し返すのやめろよ」

「ごめんな。凛兄ちゃん、お前に彼女ができたって聞いて年甲斐もなくはしゃいじまってさ」


自らを『凛兄ちゃん』と名乗る凛太郎さんは楽しそう。
本当に兄弟みたいに育ったんだろうな、仲の良さが伺えて私も嬉しい。


「憂雅ー、若いヤツら何人か連れてきてくんね?そろそろ昼メシ運ぶから」

「分かった、呼んでくる」


力さんは若頭補佐を顎で使っている。
上下関係の厳しい世界で、憂雅さんにそんな扱いをできる人間なんて数少ないだろう。

そういった意味でもここにいる3人は対等なのだと知った。


「あ、澪の仕事なんか残ってる?」


一度厨房を離れたように見えた憂雅さんは、すぐ戻ってきて力さんに尋ねる。


「もういいよ、終わり」

「なら良かった。父さんが会いたがってて……」

「そりゃ急げ、多忙な理事長を待たせんな」


話を聞くと、なんと憂雅さんのお父様が私に会いたがっていると発覚した。
待って、お父さんに会う覚悟はまるっきりできてなかった。
< 88 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop