酩酊メロウ
「ヤクザとしては申し分ない才能です。しかし、息子という視点で見るとあれは居た堪れない。
嘘は身から出た錆と同じです。いつしか心を蝕み、身を滅ぼします」
そして憂雅さんを通して私は少し学んだ。
嘘はメリットがなければつく意味がない。私のようななんの価値もない女に、司水さんが嘘で誤魔化す必要は無い。
つまり、司水さんの話は全て本当なのだろう。
私は傾聴するため姿勢を正した。
「そんな時、憂雅はあなたに出逢った」
「……私?」
続く話に耳を傾けようとすると、司水さんは細めた目尻にシワを刻んで微笑んだ。
泣きたくなるほど心に染みる、あたたかい笑顔だった。
「憂雅の背中を見たことはありますか?」
「背中、ですか?天使の刺青がありました」
「そうです。憂雅は絆を護るために、背中に守護者である大天使ミカエルの墨を彫りました。
絆にとっての心の支えは憂雅です」
私を見て不思議だと言った司水さん。だけど私も不思議に思った。
太陽のような満面の笑みが、憂雅さんによく似ていたから。
「そして、憂雅にとっての救世主はあなたでした」
さらにその笑顔で、私の存在意義を見出し、言葉にしてくれた。
気がつくと涙点がじわりと熱くなり、たまっていた涙が突然決壊した。
嘘は身から出た錆と同じです。いつしか心を蝕み、身を滅ぼします」
そして憂雅さんを通して私は少し学んだ。
嘘はメリットがなければつく意味がない。私のようななんの価値もない女に、司水さんが嘘で誤魔化す必要は無い。
つまり、司水さんの話は全て本当なのだろう。
私は傾聴するため姿勢を正した。
「そんな時、憂雅はあなたに出逢った」
「……私?」
続く話に耳を傾けようとすると、司水さんは細めた目尻にシワを刻んで微笑んだ。
泣きたくなるほど心に染みる、あたたかい笑顔だった。
「憂雅の背中を見たことはありますか?」
「背中、ですか?天使の刺青がありました」
「そうです。憂雅は絆を護るために、背中に守護者である大天使ミカエルの墨を彫りました。
絆にとっての心の支えは憂雅です」
私を見て不思議だと言った司水さん。だけど私も不思議に思った。
太陽のような満面の笑みが、憂雅さんによく似ていたから。
「そして、憂雅にとっての救世主はあなたでした」
さらにその笑顔で、私の存在意義を見出し、言葉にしてくれた。
気がつくと涙点がじわりと熱くなり、たまっていた涙が突然決壊した。