フタが開いた
「気づきませんように。」と、
私は自分の気持ちにフタをした。
いつも通りに過ごしていれば、
この気持ちもなくなると期待を込めて
私は自分にフタをした。
でも、
君を見るたびに
私の思いは募っていく。
「おはよう。」と言う君の声。
授業中の君の横顔。
頼り甲斐のある君の背中。
君の素直ではない優しさ。
私は君の全てが愛しい。
君の姿を見れた日、
私はいつもよりも頑張れる。
君と話せた日は、
1日が幸せでいっぱいになる。
君は私の原動力。
いつから、君は私の中に居るんだろう?
君は私の方を振り向かないのに。
君は前しか見ていないのに。
君は目の前にいるあの子のことしか
想っていないのに。
だからー。
「気づきませんように。」と
自分の気持ちにフタをしたのに。
溢れそうな想いを必死に抑えて
知らんぷりしていたのに。
気づこうとしなかったこの想い。
気付きたくなかったこの想い。
君の中に私は居ないのに。
君の中にはあの子しか居ないのに。
私はこの想いを
知らんぷりすることが出来ない。
フタはもう開いてしまったのだから。